トップページドイツ語訳読(文学)グリム

KHM 1:
蛙の王様
または
鉄のハインリヒ
(その2)

TEXT:cf. Brueder Grimm, p.40.


   Der Frosch,als er die Zusage erhalten hatte,

   その蛙は、承諾を得ると、

(解析)
Der Frosch:単数・男性・1格。
als:(従属接続詞)「...したときに、...すると」。
er:人称代名詞・3人称・単数・男性・1格。= Der Frosch.
die Zusage:「承諾の返事・約束」の単数・女性・単数。
erhalten:「受け取る」の過去分詞。
  * halten の過去分詞は gehalten だが、erhalten は非分離動詞なので、
    ge- を除いたものに前つづりを付ける。
hatte:haben の過去・3人称・単数。
  * erhalten hatte で過去完了。


tauchte seinen Kopf unter,sank hinab,

彼の頭を水にもぐらせて、沈んだ。

(解析)
tauchte...unter:untertauchen(分離動詞)「水にもぐる」の過去・3人称・単数。
seinen:(所有代名詞)「彼の」の単数・男性・4格。
Kopf:(男性)「頭」の単数・4格。
sank hinab:hinabsinken(分離動詞)「沈む」の過去・3人称・単数。


und ueber ein Weilchen kam er wieder heraufgerudert;

そして、すぐ後に、彼は、上へと(手足を)かきながら、戻って来た。

(解析)
ueber(ue ウムラウト):(前置詞、ここでは4格支配)「...後」。
ein:不定冠詞・中性・4格。
Weilchen:(中性)「ちょっとの間」の単数・4格。
  * Weile の縮小形。
kam:kommen の過去・3人称・単数。
er:人称代名詞・3人称・単数・男性・1格。= Der Frosch.
wieder:(副詞)「また」。
heraufgerudert:(複合語、過去分詞)
  herauf:「こちらの上へ」を表わす分離動詞を作る。
  gerudert:rudern「漕ぐ」の過去分詞。


hatte die Kugel im Maul und warf sie ins Gras.

口にはまりをくわえていた、そして、草の上へとそのまりを投げた。

(解析)
hatte:haben の過去・3人称・単数。
die Kugel:単数・女性・4格。
im:in(ここでは3格支配)+dem(定冠詞・単数・中性・3格)。
Maul:(中性)「口」の単数・3格。
warf:werfen「投げる」の過去・3人称・単数。
sie:人称代名詞・3人称・単数・女性・4格。= die Kugel.
ins:in(ここでは4格支配)+das(定冠詞・単数・中性・4格)
Gras:(中性)「草」の単数・4格。


Die Koenigstochter war voll Freude,

王女は、喜びでいっぱいだった。

(解析)
Die Koenigstochter(oe ウムラウト):単数・女性・1格。
war:sein の過去・3人称・単数。
voll:「いっぱいの」。
Freude:(女性)「喜び」。


als sie ihr schoenes Spielwerk wieder erblickte,

彼女が彼女の素敵な遊び道具をまた見つけると、

(解析)
als:(従属接続詞)「...したときに、...すると」。
sie:人称代名詞・3人称・単数・女性・1格。
ihr:(所有代名詞)「彼女の」の単数・中性・4格。
schoenes(oe ウムラウト):schoen「きれいな、素敵な」の混合変化・単数・中性・4格。
Spielwerk:単数・中性・4格。
wieder:(副詞)「再び」。
erblickte:erblicken「見つける」の過去・3人称・単数。


hob es auf und sprang damit fort.

それを拾い上げるやいなや、飛び去った。

(解析)
hob...auf:(分離動詞)aufheben「拾い上げる」の過去・3人称・単数。
es:人称代名詞・3人称・単数・中性・4格。= Spielwerk.
sprang...fort:(分離動詞)fortspringen「飛び去る」? の過去・3人称・単数。
damit:(副詞、同時)。


‘Warte, warte,’ rief der Frosch,‘nimm mich mit,

「待って、待って」と蛙は叫んだ。「私を連れて行って」

(解析)
Warte:warten「待つ」の命令法。
rief:rufen「呼ぶ、叫ぶ」
der Frosch:単数・男性・1格。
nimm...mit:(分離動詞)mitnehmen「連れて行く」の命令法。
mich:人称代名詞・1人称・単数・4格。


ich kann nicht so laufen wie du.’

「私は、あなたのようには、走れません」

(解析)
kann:(話法の助動詞)koennen の1人称・単数。
laufen:「走る」の不定詞。
wie:(従属接続詞)。
  so...wie...「...と同じく、...のように」。


Aber was half ihm, dass er ihr sein quak quak so laut nachschrie,als er konnte!

しかし、(dass 以下のことが)彼に何の役にたつのか、 (すなわち)彼が彼女に、ケロケロと、彼にできるかぎりの大声で、 後ろから呼び止めたところで(何の役に立つのか)!

(解析)
Aber:(並列の接続詞)「しかし」。
was:(疑問代名詞)「何」の1格。
half:helfen「役立つ」の過去・3人称・単数。
ihm:(人称代名詞)3人称・単数・男性・3格。
dass(エスツェット):(従属接続詞)「...ということ」。
er:(人称代名詞)3人称・単数・男性・1格。
ihr:(人称代名詞)3人称・単数・女性・3格。
sein:不定詞。「いてくれるように???」
quak:(間投詞、カエルの鳴き声)「ケロケロ」。
so: → als.
laut:「大きな声の」
nachschrie:(分離動詞)nachschreien「後から大声で呼ぶ」の過去・3人称・単数。
als:(従属接続詞)「...と同じだけ」。
er:(人称代名詞)3人称・単数・男性・1格。
konnte:(話法の助動詞)koennen の過去・3人称・単数。


Sie hoerte nicht darauf,

彼女は、そんなことには耳もかさなかった、

(解析)
Sie:(人称代名詞)3人称・単数・女性・1格。
hoerte(oe ウムラウト):hoeren「聞こえる、(auf + 4格)に耳を傾ける」の過去・3人称・単数。
darauf:(auf と結びつく動詞の補語として)「それを」。


eilte nach Haus und hatte bald den armen Frosch vergessen,

急いで帰って、すぐに、あわれな蛙のことなんか、忘れてしまった。

(解析)
eilte:eilen「急ぐ」の過去・3人称・単数。
nach:(前置詞、3格支配、方向)。
Haus:中性。
hatte...vergessen:vergessen「忘れる」の過去完了・3人称・単数。
bald:(副詞)「すぐに」
den:(定冠詞)単数・男性・4格。
armen:arm「貧しい、あわれな」の弱変化・単数・男性・4格。


der wieder in seinen Brunnen hinabsteigen musste.

彼は再び、彼の泉へと、おりていくしかなかった。

(解析)
der:(定関係代名詞)単数・男性・1格。= Frosch
wieder:(副詞)「また」。
in:(ここでは4格支配)。
seinen:(所有代名詞)「彼の」の単数・男性・4格。
Brunnen:(男性)。
hinabsteigen:(分離動詞)「おりる」の不定詞。
musste(エスツェット):(話法の助動詞)muessen「せざるを得ない」の過去・3人称・単数。


Am andern Tage, als sie mit dem Koenig und allen Hofleuten sich zur Tafel gesetzt hatte und von ihrem goldenen Tellerlein ass

 翌日、 彼女が王や、すべての廷臣たちと共に、食卓について、彼女のかわいい金の皿から食事をしていた。

(解析)
Am:(an + dem)
  an:(ここでは3格支配、時点)「...に」。
  dem:(定冠詞)単数・男性・3格。
andern:ander「別の、次の」の弱変化・単数・男性・3格。
  * -er に終わる形容詞は、付加語的用法では、e を省くことがある。
Tage:(男性)Tag「日」の単数・3格。
als:(従属接続詞)「...したときに、...すると」。
sie:(人称代名詞)3人称・単数・女性・1格。
mit:(前置詞、3格支配)「...と一緒に」。
dem:(定冠詞)単数・男性・3格。
Koenig(oe ウムラウト):(男性)「王」の単数・3格。
allen:(不定代名詞)all「すべての」の複数・3格。
Hofleuten:(複数)Hofleute「廷臣たち」の3格。
zur:zu(3格支配) + der(定冠詞)単数・女性・3格。
Tafel:(女性)「板、食卓」の単数・3格。
sich...gesetzt hatte:sich(4格) + setzen「座る」の過去完了・3人称・単数。
von:(3格支配)「...から」。
ihrem:(所有代名詞)ihr「彼女の」の単数・中性・3格。
goldenen:混合変化・単数・中性・3格。
Tellerlein:単数・中性・3格
  Teller(男性)「皿」
 + ...lein(接尾・中性の縮小名詞を作る)。
ass(エスツェット):essen「食べる」の過去・3人称・単数。


da kam,plitsch platsch, plitsch platsch,etwas die Marmortreppe heraufgekrochen,

すると何ものか、ぴちゃぴちゃと、大理石の階段を這い上がって来るものがあった。

(解析)
da:「そのとき」。
kam:kommen の過去・3人称・単数。
plitsch platsch:(擬音語)。
etwas:(不定代名詞)「何かあるもの」。
die:(定冠詞)単数・女性・4格。
Marmortreppe:単数・4格。
  Marmor:(男性)「大理石」。
  Treppe:(女性)「階段」。
heraufgekrochen:
  herauf...:(接頭)「(下からこちらの)上へ」。
  gekrochen:kriechen「這う」の過去分詞。


und als es oben angelangt war, klopfte es an der Tuer und rief

そして上まで達してしまうと、 それはドアをノックして、呼びかけた、

(解析)
als:(従属接続詞)「...すると」。
es:(人称代名詞)3人称・単数・中性・1格。
oben:(副詞)「上に」。
angelangt war:過去完了・3人称・単数。
  an...:(接頭、方向)。
  gelangen:「達する」。
  war:sein の過去・3人称・単数。
klopfte:klopfen「ノックする」の過去・3人称・単数。
an:(前置詞、ここでは3格支配)。
der:(定冠詞)単数・女性・3格。
Tuer(ue ウムラウト):(女性)「ドア」の単数・3格。
rief:rufen「呼びかける」の過去・3人称・単数。


‘Koenigstochter,juengste,mach mir auf.’

「王女様、一番下の王女様、ドアを開けて(私を中に入れて)」

(解析)
juengste(ue ウムラウト):jung「若い」の最高級・単数・女性・1格。
mach...auf:(分離動詞)aufmachen「開ける」の命令法。
mir:(人称代名詞)1人称・単数・3格。


Sie lief und wollte sehen, wer draussen waere,

彼女は走っていって、誰が外にいるのか見ようとした。

(解析)
Sie:(人称代名詞)3人称・単数・女性・1格。(→Koenigstochter)
lief:laufen「走る」の過去・3人称・単数。
wollte:(話法の助動詞)wollen「...しようと思う」の過去・3人称・単数。
sehen:「見る」の不定詞。
wer:(疑問代名詞)「誰が」の1格。
   * ここでは間接疑問文を導く。
draussen(エスツェット):「外で」。
waere(ae ウムラウト):seinの接続法・2式・3人称・単数。


als sie aber aufmachte, so sass der Frosch davor.

しかし彼女が開けてみると、 あの蛙が前に座っていた。

(解析)
als:(従属接続詞)「...した時に」。
aber:「しかし」
aufmachte:aufmachen「開ける」の過去・3人称・単数。
sass(エスツェット):sitzen「座っている」の過去・3人称・単数。
der Frosch:男性・単数・1格。
davor:「その前に」。


Da warf sie die Tuer hastig zu, setzte sich wieder an den Tisch,

そこで、彼女は、慌しくドアをたたきつけるように閉め、 再びテーブルについた。

(解析)
warf...zu:(分離動詞)zuwerfen「たたきつけるように閉める」
   の過去・3人称・単数。
die Tuer(ue ウムラウト):「ドア」の4格・単数・女性。
hastig:「慌しい」(副詞的用法)
setzte:setzen「座る」の過去・3人称・単数。
  sich an den Tisch setzen「テーブルにつく」。
sich:(再帰代名詞)3人称・4格・単数。
wieder:「また、再び」。
an:(前置詞、ここでは4格支配)「...のそばへ」。
den Tisch:「テーブル」(男性)の単数・4格。


und war ihr ganz angst.

でも彼女は大変に不安だった。

(解析)
war:seinの過去・3人称・単数。
ihr:(人称代名詞)3人称・単数・女性・3格。
ganz:「とても、たいへん」。
angst: 「不安である」(人は3格をとる)。


Der Koenig sah wohl, dass ihr das Herz gewaltig klopfte,

王には、彼女の心臓がひどくどきどきしていたことが、すっかりわかった。

(解析)
Der Koenig(oe ウムラウト):単数・男性・1格。
sah:sehen「見る、わかる」の過去・3人称・単数。
   * dass以下のことが「わかった」。
wohl:「よく、十分に」
dass(エスツェット):(従属接続詞)「...ということ」。
ihr:(人称代名詞)3人称・単数・女性・3格。
   * 所有の3格(cf.奈良『基本ドイツ語文法』昇龍堂,p.279)
       Das Herz schlaegt mir heftig.
       (私の心臓は激しく打っている。)
das Herz:「心臓」(中性)の単数・1格。
gewaltig:「ひどく、すごく」。
klopfte:klopfen「どきどきする」の過去・3人称・単数。


und sprach ‘mein Kind, was fuerchtest du dich,

そして言った。 「わが子よ、 あなたは何を怖がっているのか?」

(解析)
sprach:sprechen「話す」の過去・3人称・単数。
mein:(所有冠詞)単数・中性・1格。
Kind:「子供」(中性)の単数・1格。
was:(疑問代名詞)4格。
fuerchtest(ue ウムラウト):fuerchten(+sich 4格)「怖がる」の2人称・単数。
du:(人称代名詞)2人称・単数・1格。
dich:(再帰代名詞)2人称・単数・4格。


steht etwa ein Riese vor der Tuer und will dich holen?’

「ひょっとしてドアの前に巨人でも立っていて、 あなたをさらって行こうとしている、とでもいうのか?」

(解析)
steht:stehen「立っている」の3人称・単数。
etwa:「ひょっとして」。
ein Riese:「巨人」(男性)の単数・1格。
vor:(前置詞、ここでは3格支配)「...の前に」。
der Tuer(ue ウムラウト):「ドア」(女性)の単数・3格。
will:(話法の助動詞)wollen「しようと思う」の3人称・単数。
dich:(人称代名詞)2人称・単数・4格。
holen:「連れて行く」の不定詞。


‘Ach nein,’antwortete sie,

「いいえ、違うわ」彼女は答えた。

(解析)
antwortete:antworten「答える」の過去・3人称・単数。


‘es ist kein Riese, sondern ein garstiger Frosch.’

「巨人なんかじゃ全然ない、 そうじゃなくて、醜いかえるよ」

(解析)
es:(人称代名詞)3人称・単数・中性・1格。
ist:seinの3人称・単数。
kein:(不定冠詞類)「全く...ない」の単数・男性・1格。
Riese:「巨人」(男性)の単数・1格。
sondern:(並列の接続詞、否定をうけて)「...ではなくて」。
ein:(不定冠詞)単数・男性・1格。
garstiger:garstig「不快な・醜い」の混合変化・単数・男性・1格。
Frosch:単数・男性・1格。


‘Was will der Frosch von dir?’

「蛙があなたに何の用があるのか?」

(解析)
Was:(疑問代名詞)4格。
will:wollen(ここでは本動詞)「望む」の3人称・単数。
   * 慣用(cf.『マイスター独和辞典』)
       Was willst du von mir?
       私に何の用があるのか
der Frosch:単数・男性・1格。
von:(前置詞、3格支配)「...から」。
dir:(人称代名詞)2人称・単数・3格。


‘Ach lieber Vater,

「ねえ、愛しいお父様、

(解析)
lieber:lieb,「愛する」(強変化,単数・男性・1格)。
Vater:(男性)「父」(単数・1格)。


als ich gestern im Wald bei dem Brunnen sass und spielte,

私がきのう、森の中で泉のほとりに座って、遊んでいたとき、

(解析)
als:(従属接続詞)「...したときに」。
ich:(人称代名詞,1人称・単数・1格)。
gestern:(副詞)「きのう」。
im:(前置詞 in + 定冠詞 dem)。
   in:(前置詞,3・4格支配,ここでは3格支配)「...の中で」。
   dem:(定冠詞・単数・男性・3格)。
Wald:(男性)「森」(単数・3格)。
bei:(前置詞,3格支配)「...のそばに」。
dem Brunnen:「泉」(単数・男性・3格)。
sass(エスツェット):sitzen「座っている」(過去・1人称・単数)。
spielte:spielen「遊ぶ」(過去・1人称・単数)。


TEXT:cf. Brueder Grimm, pp.40-2.

* p.41 は挿絵です。


da fiel meine goldene Kugel ins Wasser.

すると、私の金のまりが、水の中に落ちた。

(解析)
da:(副詞,文頭の als を受けて)「すると」。
fiel:fallen「落ちる」(過去・3人称・単数)。
meine:(所有代名詞,不定冠詞類)「私の」(単数・女性・1格)。
goldene:golden「金の」(混合変化,単数・女性・1格)。
Kugel:(女性)「まり」(単数・1格)。
ins:(前置詞 in + 定冠詞 das)。
   in:(ここでは4格支配)「...の中へ」。
   das:(単数・中性・4格)。
Wasser:(中性)「水」(単数・4格)。


TEXT:cf. Brueder Grimm, p.42.


Und weil ich so weinte,

そこで私がひどく泣いていたので、

(解析)
weil:(従属接続詞)「...なので」。
so:(副詞)「それほど」。
weinte:weinen「泣く」(過去・3人称・単数)。


hat sie der Frosch wieder heraufgeholt,

そのまりを、あの蛙が取り戻してくれた、

(解析)
hat...heraufgeholt:(分離動詞)herauf|holen「取りあげる」,
   (現在完了・3人称・単数),

 * haben + 過去分詞 で現在完了を作る,
   通常、haben(定形)が第2位に,
   過去分詞が文末に置かれる,
   ここでは、主文の前に従属文が置かれているため,
   従属文が第1位の文成分とみなされ,
   定動詞 hat が従属文の直後、すなわち、主文の先頭に置かれている.

   hat:haben(3人称・単数),
   heraufgeholt:(分離動詞)herauf|holen「取りあげる」(過去分詞),

 * 分離動詞の過去分詞は、基礎動詞の過去分詞の前に前つづりをつける。
   herahf-:(接頭)「こちらの上へ」を表わす分離動詞をつくる。
   geholt:holen「取って来る」の過去分詞。

sie:(人称代名詞,3人称・単数・女性・4格,→ Kugel)。
der Frosch:「蛙」(単数・男性・1格)。
wieder:(副詞)「再び」。


und weil er es durchaus verlangte,

そして、蛙がそのことをしつこく求めたから、

(解析)
weil:(従属接続詞)「...なので」。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格,→ der Frosch)。
es:(人称代名詞,3人称・単数・中性・4格)。
durchaus:(副詞)「どうしても」。
verlangte:verlangen「要求する」(過去・3人称・単数)。


so versprach ich ihm,

そのように私は彼に約束して、

(解析)
versprach:versprechen「約束する」(過去・1人称・単数)。
ihm:(人称代名詞,3人称・単数・男性・3格)。


er sollte mein Geselle werden,

彼を私の遊び仲間にすることにした、

(解析)
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。
sollte...werden:
   sollte:sollen(話法の助動詞,ここでは「話者の意志」を表わす),
   (過去・3人称・単数),
   werden:「...になる」(不定詞),
 * 話法の助動詞は定形・第2位におかれ,
   本動詞は不定詞にして、文末に置かれる.
mein:(所有代名詞,不定冠詞類)「私の」(単数・男性・1格)。
Geselle:(男性)「仲間」(単数・1格)。


ich dachte aber nimmermehr,

でも私には思いもよらなかった、

(解析)
dachte:denken「考える」(過去・1人称・単数)。
aber:(並列の接続詞)「しかし」。
nimmermehr:(副詞)「決して...ない」。


dass er aus seinem Wasser heraus koennte.

すなわち、彼が、彼の(すみかである)水から外に出られるなんて。

(解析)
dass(エスツェット):(従属接続詞)「...ということ」。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。
aus:(前置詞,3格支配)「...から外へ」。
seinem:(所有代名詞,不定冠詞類)「彼の」(単数・中性・3格)。
Wasser:(中性)「水」(3格・単数)。
heraus koennte:  * ここでは、分離動詞 heraus|kommen「出て来る」の,
   基礎動詞 kommen が省略されたもの,と解釈する.
   heraus:(副詞)「外へ」.
   (heraus-:接頭,「こちらの外へ」を表わす分離動詞を作る).
   koennte(oe ウムラウト):koennen「できる」,
   (接続法・第2式・3人称・単数).
 * (間接話法の接続法).


Nun ist er draussen und will zu mir herein.’

ところが今や、彼は外にいて、私のところへ入ってこようとしている。」

(解析)
Nun:(副詞)「今」。
ist:sein「ある」(3人称・単数・現在)。
draussen(エスツェット):(副詞)「外に」。
will:wollen1「望む」(3人称・単数・現在)。
zu:(前置詞,3格支配)「...のところへ」。
mir:(人称代名詞,1人称・単数・3格)。
herein:(副詞)「中へ」。
 * ここでも、分離動詞 herein|kommen「入って来る」の,
   基礎動詞 kommen が省略されたもの,と解釈する.
   (herein-:接頭,「こちらの中へ」を表わす分離動詞を作る).


Indem klopfte es zum zweitenmal und rief

そのとき、再びノックの音がして、呼び声がした。

(解析)
Indem:(副詞)「その間に」。
klopfte:klopfen「たたく」(過去・3人称・単数)。
   (*) (es が主語で)Es klopft。「ノックの音がする」。
es:(人称代名詞,3人称・単数・中性・1格)。
zum:(前置詞 zu +定冠詞 dem)。
   (*) zum ersten Mal(e),「初めて」。
     zum dritten Mal,「3度目に」。
   zu:(3格支配)。
   dem:(単数・中性・3格)。
zweitenmal:
   zweiten:(序数)zweit「第2の」(弱変化,単数・中性・3格)。
   Mal:(中性)「回,度」。
rief:rufen「呼ぶ」(過去・3人称・単数)。


       ‘Koenigstochter,juengste,

       「王女様、一番下の王女様、

(解析)
Koenigstochter(oe ウムラウト):(女性)「王女」。
   Koenig(oe ウムラウト):(男性)「王」。
   Tochter:(女性)「娘」。
juengste(ue ウムラウト):jung「若い」(最高級,強変化,単数・女性・1格)。


       mach mir auf,

       ドアを開けて私を中に入れて、

(解析)
mach...auf:(分離動詞)aufmachen「開ける」(命令法)。
mir:(人称代名詞,1人称・単数・3格)。


       weisst du nicht,was gestern

       あなたは、きのう、(あなたが私に言った)ことを覚えていないのですか?

(解析)
weisst(エスツェット):wissen「覚えている」(2人称・単数・現在)。
du:(人称代名詞,2人称・単数・1格)。
nicht:(副詞,否定)。
was:(不定関係代名詞,4格)。
gestern:(副詞)「きのう」。


       du zu mir gesagt

       あなたが私に言った

(解析)
zu:(前置詞,3格支配)「...に」。
mir:(人称代名詞,1人称・単数・3格)。
gesagt:sagen「言う」(過去分詞,hast 省略?)。


       bei dem kuehlen Brunnenwasser?

       涼しい泉の水のほとりで?

(解析)
bei:(前置詞,3格支配)「...のそばで」。
dem:(定冠詞,単数・中性・3格)。
kuehlen(ue ウムラウト):kuehl「涼しい」(弱変化・単数・中性・3格)。
Brunnenwasser:(中性)「泉の水」(単数・3格)。


       Koenigstochter,juengste,
       mach mir auf.’

       王女様、一番下の王女様、
       ドアを開けて私を中に入れて。」


Da sagte der Koenig

すると、王は言った、

(解析)
Da:(副詞)「そのとき」。
sagte:sagen「言う」(過去・3人称・単数)。
der Koenig(oe ウムラウト):「王」(単数・男性・1格)。


‘was du versprochen hast,

「あなたが約束したことは、」

(解析)
was:(不定関係代名詞,4格)。
du:(人称代名詞,2人称・単数・1格)。
versprochen hast:versprechen「約束する」(現在完了・2人称・単数)。
   versprochen:versprechen(過去分詞)。
   * ver-sprechen = 非分離動詞。
      → 基礎動詞の過去分詞から ge- を除いて前つづりをつける。
      基礎動詞 sprechen = 強変化動詞。
      → ge-,-en をつける。→ gesprochen。
      → gesprochen から ge- を除いて、前つづり ver- をつける。
      → versprochen。
   hast:haben(2人称・単数)。
      haben + 過去分詞 = 現在完了。


das musst du auch halten;

「そのことをあなたは、きちんと守らなければならない。」

(解析)
das:(指示代名詞,単数・中性・4格,上の関係文を受けて「約束したことを」)。
   * 不定関係代名詞文の後の主文の冒頭には、指示代名詞を置いて、
     関係文の、主文内における役割を明示する。
musst(エスツェット):muessen(ue ウムラウト,話法の助動詞)「ねばならない」。
      (2人称・単数・現在)。
auch:(副詞)「ほんとうに」。
halten:「(約束などを)守る」(不定詞)。


geh nur und mach ihm auf.’

「さあ、行きなさい、そして、(ドアを)開けて彼を(中に入れなさい)」

(解析)
geh:gehen「行く」(命令法)。
nur:(副詞,命令文で)「さあ」。
mach...auf:(分離動詞)aufmachen「開ける」(命令法)。
ihm:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。


Sie ging und oeffnete die Tuere,

彼女は行った、そして、ドアを開けた、

(解析)
Sie:(人称代名詞,3人称・単数・女性・1格)。
ging:gehen「行く」(過去・3人称・単数)。
oeffnete(oe ウムラウト):oeffnen「開ける」(過去・3人称・単数)。
die Tuere(ue ウムラウト):(方言)= die Tuer「ドア」(女性・単数・4格)。


da huepfte der Frosch herein,

すると、その蛙は、こちらへぴょんぴょんと飛び込んできた。

(解析)
huepfte(ue ウムラウト)...herein:(分離動詞?)
   huepfte:huepfen「ぴょんぴょん跳ねる」(過去・3人称・単数)。
   herein:(副詞,または,接頭)「こちらの中へ」。
der Frosch:(男性・単数・1格)。


ihr immer auf dem Fusse nach,

彼女の後をずっとつけまわして、

(解析)
ihr:(人称代名詞,3人称・単数・女性・3格)。
immer:(副詞)「ずっと」。
auf:(前置詞,3・4格支配,ここでは3格)「...の上に」。
dem:(定冠詞,単数・男性・3格)。
Fusse(エスツェット):(男性)Fuss「足」(単数・3格)。
   * auf dem Fusse folgen「すぐ後について行く」。
nach:(副詞)「後に続いて」。


bis zu ihrem Stuhl.

彼女の椅子まで(飛び跳ねてきた)。

(解析)
bis:(前置詞,4格支配)「...まで」。
 * auf,zum など,他の前置詞と結びつくことが多い.
zu:(前置詞,3格支配)「...に」。
ihrem:ihr(不定冠詞類,所有代名詞)「彼女の」(単数・男性・3格)。
Stuhl:(男性)「椅子」(単数・3格)。

Da sass er und rief

すると、彼は座って、呼びかけた、

(解析)
sass(エスツェット):sitzen「座っている」(過去・3人称・単数)。
er:(人称代名詞,3人称・単数・1格)。
rief:rufen「呼ぶ」(過去・3人称・単数)。


‘heb mich herauf zu dir.’

「私をあなたのところへ持ち上げてください」

(解析)
heb:heben「持ち上げる、のせる」(命令法)。
mich:(人称代名詞,1人称・単数・4格)。
herauf:(副詞)「(下からこちらの)上へ」。
zu:(前置詞,3格支配)「...のところへ」。
dir:(人称代名詞,2人称・単数・3格)。


Sie zauderte,

彼女はためらっていた、

(解析)
zauderte:zaudern「ためらう」(過去・3人称・単数)。


bis es endlich der Koenig befahl.

ついには、とうとう、王がそれを命じた。

(解析)
bis:(従属接続詞)「...まで、(結果的に)とうとう」。
es:(人称代名詞,3人称・単数・4格)。
endlich:(副詞)「とうとう」。
der Koenig(oe ウムラウト):(男性・単数・1格)。
befahl:befehlen「命じる」(過去・3人称・単数)。


Als der Frosch erst auf dem Stuhl war,

蛙は、ようやく、椅子の上にのると、

(解析)
Als:(従属接続詞)「...したときに」。
der Frosch:(男性・単数・1格)。
erst:(副詞)「ようやく」。
auf:(前置詞,3・4格支配,ここでは3格)「...の上に」。
dem Stuhl:(男性・単数・3格)。
war:sein(過去・3人称・単数)。


wollte er auf den Tisch,

彼は、テーブルに上がりたがった、

(解析)
wollte:(話法の助動詞,意志・願望)wollen(過去・3人称・単数)。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。
auf:(前置詞,3・4格支配,ここでは4格)「...の上へ」。
den Tisch:(男性・単数・4格)。


und als er da sass

そして、彼がそこに座ると、

(解析)
als:(従属接続詞)「...したときに」。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。
da:(副詞)「そこに)。
sass(エスツェット):sitzen「座る」(過去・3人称・単数)。


sprach er

彼は言った

(解析)
sprach:sprechen「言う」(過去・3人称・単数)。


‘nun schieb mir dein goldenes Tellerlein naeher,

さあ、あなたの金のかわいいお皿を、もっと私の近くに、押してください、

(解析)
nun:(副詞)「今」。
schieb:schieben「押す」(命令法)。
mir:(人称代名詞,1人称・単数・3格)。
dein goldenes Tellerlein:(混合変化,中性・単数・4格)。
   dein(所有代名詞,不定冠詞類)「君の」(単数・中性・4格)。
   -lein(接尾,中性の縮小名詞を作る)。
naeher(ae ウムラウト):nahe「近い」(比較級)。


damit wir zusammen essen.’

私たちが一緒に食べるために。

(解析)
damit:(従属接続詞)「...するために」。
wir:(人称代名詞,1人称・複数・1格)。
zusammen:(副詞)「一緒に」。
essen:「食べる」(不定詞)。


Das tat sie zwar,

彼女は一応そのようにしたのだけれども、

(解析)
Das:(指示代名詞,単数・中性・4格)。
tat:tut「する」(過去・3人称・単数)。
sie:(人称代名詞,3人称・単数・1格)。
zwar...aber...:(副詞)「確かに...ではあるが...」。


aber man sah wohl,

しかし、(以下のことが)まるわかりだった、

(解析)
man:(不定代名詞,単数・1格のみ)「(一般的に)人々」。
sah:sehen「見る、分る」(過去・3人称・単数)。
wohl:(副詞)「よく」。


dass sies nicht gerne tat.

というのは、彼女がそのことを、何も好き好んでやったわけではない、 (ということがまるわかりだった)。

(解析)
dass(エスツェット):(従属接続詞)「...ということ」。
sies:?= sie’s = sie es,あるいは、sie das?
gerne = gern:(副詞)「好んで」。
tat:tut「する」(過去・3人称・単数)。


Der Frosch liess sichs gut schmecken,

蛙には美味しく味わうことができたのだが、

(解析)
Der Frosch:(男性・単数・1格)。
liess(エスツェット):(助動詞)lassen...sich(4格)「されうる」
   (過去・3人称・単数)。
sichs:?= sich’s = sich es,あるいは、sich das?
gut:(ここでは副詞的)
schmecken:「美味しい、味わう」(不定詞)。


aber ihr blieb fast jedes Bisslein im Halse.

他方で、彼女はといえば、一口ごとに、彼女ののどにつっかえていた。

(解析)
ihr:(人称代名詞,3人称・単数・女性・3格,所有の3格)。
blieb:bleiben「とどまる」(過去・3人称・単数)。
fast:(副詞)「ほとんど、まるで」。
jedes:jeder(不定代名詞)「どの...も」(中性・1格)。
Bisslein(エスツェット):(中性・単数・1格)。
   Biss:(男性)「かむこと」。
   -lein(接尾,中性の縮小名詞を作る)。
im:= in + dem(単数・男性・3格)。
Halse:(男性)Hals「のど」(単数・3格)。


Endlich sprach er

とうとう彼は言った

(解析)
Endlich:(副詞)「とうとう」。
sprach:sprechen(過去・3人称・単数)。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。


‘ich habe mich satt gegessen

私は、お腹いっぱいに食べましたので、

(解析)
habe...gegessen:essen「食べる」(現在完了,1人称・単数)。
   habe:haben(1人称・単数)。
   gegessen:essen(過去分詞)。
mich:(再帰代名詞,1人称・単数・4格)。
satt:「満腹した」。


und bin muede,

それで、私は眠くなりました。

(解析)
bin:sein(1人称・単数)。
muede(ue ウムラウト):「疲れて眠い」。


nun trag mich in dein Kaemmerlein

さあ、私をあなたのかわいい寝室へ連れて行って、

(解析)
trag:tragen「運ぶ」(命令法)。
mich:(人称代名詞,1人称・単数・4格)。
dein:(所有代名詞)「あなたの」(中性・単数・4格)。
Kaemmerlein(ae ウムラウト):(Kammerの縮小形,中性・)
   kammer:(女性)「小さな寝室」。
   -lein:(接尾,中性の縮小名詞をつくる)。


und mach dein seiden Bettlein zurecht,

そして、あなたのかわいい絹のベッドの用意をしてください。

(解析)
mach...zurecht:(分離動詞)zurechtmachen「(ベッドなどの)用意をする」
   (命令法)。
dein:(不定冠詞類,所有代名詞,単数・中性・4格)。
seiden:「絹の」。
   * ここでは不定冠詞類がついているので、混合変化をし、
     単数・中性・4格では、本来ならば、‘seiden-es’となるべき。
Bettlein:(縮小形,単数・中性・4格)。
   Bett:(中性)「ベッド」。
   -lein:(接尾,中性の縮小名詞をつくる)。


da wollen wir uns schlafen legen.’

それから、一緒に横になって眠りましょう」

(解析)
wollen:(話法の助動詞,意志,接続法第1式・1人称・複数)。
wir:(人称代名詞,1人称・複数・1格)。
uns:(再帰代名詞,1人称・複数・4格)。
schlafen:「眠る」(不定詞)。
   sich 4格 schlafen legen 眠るために横になる。
legen:「寝かせる」(不定詞)。
   (+ sich 4格)「寝る」。


Die Koenigstochter fing an zu weinen

王女は、泣き始めた、

(解析)
fing an:(分離動詞?)anfangen「はじめる」(過去・3人称・単数)。
weinen:「泣く」(不定詞)。


und fuerchtete sich vor dem kalten Frosch,

そして、冷たい蛙を怖がった、

(解析)
fuerchtete(ue ウムラウト):fuerchten「怖がる」(過去・3人称・単数)。
   + sich 4格 + vor + 3格。
dem:(定冠詞,単数・男性・3格)。
kalten:kalt「冷たい」(弱変化,単数・男性・3格)。


den sie nicht anzuruehren getraute,

その蛙に、彼女は、手を触れる勇気もなかった、

(解析)
den:(定関係代名詞,単数・男性・4格,→ Frosch)。
anzuruehren(ue ウムラウト):(分離動詞)anruehren「手を触れる」
   (zu 不定詞)。
   分離動詞の zu 不定詞は、前つづりと、基礎動詞との間に zu を挿入。
getraute:getrauen「する勇気がある」(過去,3人称・単数)。


und der nun in ihrem schoenen reinen Bettlein schlafen sollte.

その蛙がいまや、彼女の美しくて清潔なベッドで眠ることになった。

(解析)
der:(定関係代名詞,単数・男性・1格)。
ihrem:ihr(不定冠詞類,所有代名詞)「彼女の」(単数・中性・3格)
schoenen(oe ウムラウト),reinen:schoen「美しい」,rein「純粋な」,
   (混合変化,単数・中性・3格)。
schlafen:「眠る」(不定詞)。
sollte:(話法の助動詞)sollen「することになる」(過去・3人称・単数)。


Der Koenig aber ward zornig und sprach

王はしかし、怒って、言った、

(解析)
Der Koenig(oe ウムラウト):(男性・単数・1格)。
ward:(古雅)= wurde,werden「(状態に)なる」(過去・3人称・単数)。
zornig:「腹を立てている」。
sprach:sprechen(過去・3人称・単数)。


‘wer dir geholfen hat,

「あなたを助けてくれた人を、

(解析)
wer:(不定関係代名詞,人,1格)。
dir:(人称代名詞,2人称・単数・3格)。
geholfen hat:helfen「助ける」(現在完了・3人称・単数)。
   geholfen:helfen(過去分詞)。
   hat:haben(3人称・単数)。


als du in der Not warst,

あなたが苦境にあったときに(助けてくれた人を)、

(解析)
als:(従属接続詞)「...したときに」。
du:(人称代名詞,2人称・単数・1格)。
in:(3・4格支配,ここでは3格)。
der:(定冠詞,単数・女性・3格)。
Not:(女性,単数のみ)「苦境」(3格)。
warst:sein(過去・2人称・単数)。


den sollst du hernach nicht verachten.’

(助けてくれた)その人を、あなたは、後になって、 ないがしろにしてはならない。」

(解析)
den:der(指示代名詞,単数・男性・4格,「助けてくれたその人を」)。
   * 不定代名詞 wer を受けて、関係文の、主文中での役割を明示する。
sollst:(話法の助動詞)sollen「べきである」(2人称・単数)。
hernach:(副詞)「後で」。
verachten:「軽蔑する」(不定詞)。


Da packte sie ihn mit zwei Fingern,

すると、彼女は、彼を、二本の指でつまんだ、

(解析)
packte:packen「つかむ」(過去・3人称・単数)。
sie:(人称代名詞,3人称・単数・女性・1格)。
ihn:(人称代名詞,3人称・単数・男性・4格)。
mit:(前置詞,3格支配)「(道具,手段)で」。
zwei:(基数)「2」。
Fingern:(男性)Finger「指」(複数・3格)。


trug ihn hinauf und setzte ihn in eine Ecke.

彼を上に運んで、彼を隅っこに置いた。

(解析)
trug...hinauf:(分離動詞)hinauftragen「上に運ぶ」
   (過去・3人称・単数)。
   trug:tragen「運ぶ」(過去)。
   hinauf-:(接頭)「向こうの上へ」を表わす分離動詞を作る。
setzte:setzen「置く」(過去・3人称・単数)。
in:(ここでは4格支配)。
eine:(不定冠詞,女性,4格)。
Ecke:(女性)「角、隅っこ」(単数・4格)。


Als sie aber im Bette lag,

しかし、彼女がベッドに横になったら、

(解析)
Als:(従属接続詞)「...したときに」。
im:=(前置詞 in)+(定冠詞 dem).
   in:(ここでは3格支配)。
   dem:(定冠詞,単数・中性・3格)。
Bette:(中性)「ベッド」(単数・3格)。
lag:liegen「横になっている」(過去・3人称・単数)。


kam er gekrochen und sprach

彼が這って来て、言った、

(解析)
kam:kommen「来る」(過去・3人称・単数)。
er:(人称代名詞,3人称・単数・男性・1格)。
gekrochen:kriechen「這う」(過去分詞)。
sprach:sprechen(過去・3人称・単数)。


‘ich bin muede,

「私は疲れた、

(解析)
ich:(人称代名詞,1人称・単数・1格)。
bin:sein(1人称・単数)。
muede(ue ウムラウト):「疲れた」。


ich will schlafen so gut wie du:

私もあなたと同じように眠りたい。

(解析)
will:(話法の助動詞)wollen「...したい」(1人称・単数)
schlafen:「眠る」(不定詞)。
so gut wie...:「...同然」。
   so:(副詞)「そのように」
   gut:「よい」。
   wie:(従属接続詞)「...と同じく」。
du:(人称代名詞,2人称・単数・1格)。


heb mich herauf,

私を上に上げてください、

(解析)
heb...herauf:(分離動詞)heraufheben(命令法)。
   heb:heben「持ち上げる」(命令法)。
   herauf-:(接頭)「(したからこちらの)上へ」を表わす分離動詞を作る。
mich:(人称代名詞,1人称・単数・4格)。


oder ich sags deinem Vater.’

さもないと、あなたのお父さんに言いつけますよ。」

(解析)
oder:(並列の接続詞)「それとも、さもないと」。
sags:?= sage es,das?
   cf.Das sag’ ich.「言いつけてやろ」。
deinem:dein(所有代名詞)「君の」(単数・男性・3格)。
Vater:(男性)「父」(単数・3格)。


Da ward sie erst bitterboese,

すると、彼女はとうとう、ひどく怒ってしまった、

(解析)
Da:「すると、そのとき」。
ward:(古)werden「になる」(過去・3人称・単数).
sie:(人称代名詞,3人称・単数・女性・1格).
erst:「最初に」.
bitterboese(oe ウムラウト):「ひどく怒った」.


holte ihn herauf

彼を取りあげた、

(解析)
holte...herauf:(分離動詞)heraufholen「取りあげる」,
   (過去・3人称・単数),
   holte:holen「取ってくる」(過去・3人称・単数),
   herauf-:(接頭,「こちらの上へ」を表わす分離動詞を作る).
ihn:(人称代名詞,3人称・単数・男性・4格).


und warf ihn aus allen Kraeften wider die Wand,

そして、ありったけの力で、壁にたたきつけた、

(解析)
warf:werfen「投げる」(過去・3人称・単数).
aus:(前置詞,3格支配)「...から」.
allen:all「全ての」(複数・3格).
Kraeften(ae ウムラウト):Kraft(女性)「力」(複数・3格).
wider:(前置詞,4格支配)「反して,向かって,突き当たって」.
die Wand:「壁」(単数・女性・4格).


‘nun wirst du Ruhe haben,du garstiger Frosch.’

さあ、お前も安らかになれるだろう、このいやらしい蛙」

(解析)
nun:「今」.
wirst...haben:(未来・2人称・単数),
   wirst:(助動詞)werden(2人称・単数),
   * werden と不定詞で未来時制を作る,
   haben:「持つ」(不定詞).
du:(人称代名詞,2人称・単数・1格).
Ruhe:(女性)「安らぎ,睡眠」(単数・4格).
garstiger:garstig「嫌な」(強変化,単数・男性・1格)。
Frosch:(男性)「蛙」(単数・1格).



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